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理化学研究所中川英刀先生との共同研究が『Cell Reports Medicine』オンライン版(8月8日付:日本時間8月9日)に掲載されました。

理化学研究所(理研)生命医科学研究センターがんゲノム研究チームの中川英刀先生を中心とする共同研究で、食道がんの全ゲノムおよびRNA発現データから腫瘍ゲノムのコピー数異常と腫瘍内の免疫動態を解析し、人工知能(AI)を実現するための手法である機械学習を用いて、術前化学療法の効果を予測することに成功しました。
食道がん組織に浸潤 している免疫細胞に着目し、好中球、B 細胞、CD8+ T 細胞、CD4+ T 細胞が それぞれ多く発現する四つの群に分類できました。注目すべきことに、 好中球の多い群では他の群に比べて化学療法の効果が低く、好中球が化学療法 の効果と機能的に関連していると考えられました。我々のチームは、担癌マウスモデルを用いて、好中球を除去したマウスではシスプラチンを用いた化学療法による抗腫瘍効果が増強し腫瘍の増殖を著明に抑制できることを証明しました。

本研究成果は、事前にがん化学療法の効果を予測するがん精密医療や、新しいがん免疫療法の開発に貢献すると期待できます。

https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/press.html#20220809-2
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